放射線科
放射線科とは
当院の放射線科は、単純X線(レントゲン)撮影装置を始め、超音波を用いた骨密度測定装置(骨塩定量検査装置)、最先端であるAI搭載型のCT装置や従来のMRI装置を用い、当院の医療の質を基盤から保証する「画像診断部門」を主の業務としています。と同時に多目的X線透視診断装置を2台有し、透視下で行う「内視鏡検査・内視鏡治療部門」およびカテーテルを用いた肝動脈塞栓術、経皮的血管形成術等の「IVR治療部門」とも連携し、診断から治療まで幅広い業務を行っています。
画像診断部門について
「画像診断部門」では、さまざまな診断機器を備え、質の高い画像情報を少ない放射線被ばくにて提供し、患者様に安心して検査を受けていただけるよう、画像診断の専門医師と各科の専門医師、診療放射線技師が協力しながら日々業務を行っています。
時間外や休日の救急診療においても、常勤スタッフにて24時間365日、CT検査、MRI検査が行える体制を整えており、近隣医療機関からの検査も積極的に受け入れるなど、地域医療に大きく貢献できるよう努めています。
近年の放射線診療を取り巻く医療機器の進化は目覚ましく、それに伴う医療技術の発展によって、業務内容は高度化し、多彩な検査が可能となりました。
スローガン「BE KOBE(神戸は人の中にある)」のとおり、一律のやり方で検査を行うのではなく、症状や状況に応じ、患者様一人ひとりに合わせた最適な検査を行うことで、地域の人々を支える誠実な医療を実践しています。
そして、学術発表会、勉強会にも定期的に参加し、最先端の知識を取り入れながら、機器が持つ性能をいかんなく発揮させ、その進歩によって得られた恩恵が病で苦しむ人々に最大限還元されるよう、安全かつ高品質な画像の提供に日々努めています。
各検査室および装置のご紹介
一般撮影室(単純X線撮影室)
X線発生装置(島津メディカルシステムズ)
単純X線(レントゲン)撮影を行う検査室です。
豊富な撮影条件を組み込むことが可能な撮影装置により、撮影部位に応じた適切な撮影条件を合わせるだけでなく、患者様の体型にも合わせた設定が可能となっています。
受光部(過去でいうフィルム部分)にはFPD(Flat Panel Display)の最新機器を導入。従来装置よりも高解像度(従来機種の1.6倍)の高精細画像(1130万画素)が撮影でき、骨部なども鮮明に映し出せます。
FPD(キャノンメディカルシステムズ)
また、患者様の被ばくによる負担を最小限に軽減するため、蛍光体にヨウ化セシウム(CsI)が採用されており、X線照射量を抑えた撮影が可能です。
胸部X線撮影を始めとし、脊椎、関節等の整形外科領域の撮影においても、高画質、低被ばくでの検査を行っています。
超音波骨密度測定装置
超音波骨密度測定装置(キャノンライフケアソリューションズ)
超音波にて踵骨(足のかかとの骨)の骨内伝番速度を測定し、骨粗鬆症の診断を行います。
X線を用いた同様の検査もありますが、本装置は超音波を用いるため、患者様の被ばくがなく、若年者の方や妊娠中の方でも安心して検査を行っていただけます。測定時間も10秒間と短時間です。
※X線を用いた骨密度測定装置が主流となっていますが、踵の骨も海綿骨の割合が90%以上ととても多く、背骨や大腿骨の状態をよく反映すると言われています。また、研究によりX線装置と同等に骨折の危険性を予測する能力があることが確認されています。
CT検査室
80列マルチスライスCT装置(キャノンメディカルシステムズ)
X線を使用し、体の断面の撮影を行う検査室です。
当院では、2020年11月に16列マルチスライスCTから5倍の検出器を持つ、80列マルチスライスCT装置を導入しました。
本機には、AI技術を用いた最新の画像処理手法であるAdvanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)が採用され、被ばく線量が重要視されるCT検査において、少しでも照射線量を低減した検査が行えます。検査内容によって異なりますが、標準的なものであれば、従来の25~50%程度の放射線量にて撮影が可能となりました。
精密検査や、造影剤を用いた冠動脈を始めとする血管造影検査においても、高画質な画像を短時間で撮影できるPURE ViSION Detectorを採用し、短い呼吸停止時間で広範囲の検査を行うことが可能です。
得られた高画質画像は、必要に応じて画像処理装置にて解析および3D画像化し、視覚的に分かりやすく提供します。
さらに、患者様に安心して検査を受けていただけるように78cmWideBore(撮影時に入っていただくトンネルの大きさ)を採用。ルックガイドも装備し患者様の情報を表示して、取り違えの防止や、息止め指示を分かりやすく行う環境も整えています。
近年の造影剤による腎障害の問題に対しては、最新のデュアル型自動注入器を導入。投与条件を詳細に設定して体内に投与が可能なため、腎機能が低下している患者様でも最小限の負担で造影検査が可能です。
当院の放射線科では、ガイドラインを遵守し、患者様の腎機能に応じた至適造影剤投与を行っています。
造影剤自動注入器(Bayer-Radiology)
最先端CT装置の機器性能を最大限発揮させ、過去の精密検査で必要であった造影剤量、被ばく線量の患者様負担に対し双方の低減化を行い、安心・安全かつ高精細画像にて正しい検査結果を提供できるよう、日々の業務に高い意識レベルを持って取り組んでいます。
MRI検査室
MAGNETOM Aera 1.5T(シーメンスヘルスケア)
強力な磁力を用いて体内の断面の撮影や、造影剤を使用せず血管撮影が行える検査室です。
磁力を用いるため、体内にペースメーカーや、医療機器を埋め込まれている患者様は制限があります。また、撮像時は狭いトンネルに入り大きな音が発生し、他の検査に比べ時間もかかるため、閉所恐怖症の方は受けていただけない場合もあります。
当院では少しでも開放的な空間で検査が行えるよう、トンネル部入口の開口径が70cmのオープンボアで、装置長が145cmのショートガントリを備えた装置を導入し、患者様に与える圧迫感を減少させるように努めています。またMRI検査は、1回の検査で診断に必要な複数のコントラスト画像を撮像するため、時間の長い検査でしたが、近年では撮像時間を短縮する技術が次々と生み出されたことにより、大幅な時間短縮も実現しています。
また、CT検査より比較的撮影範囲が限定されていた問題点も、コイル(体内の信号を受信するための装置)の進化により改善しています。
当院MRIは、Tim(Total imaging matrix)コイルを実装した装置で、MR-PET呼ばれる全身を対象としたDWIBS(全身拡散強調画像)や、DVT(深部静脈血栓症)の診断に必要な下肢全体の静脈撮影等を行えるだけでなく、
個々の部位も短時間、高画質で撮像できるよう複数の受信部を持つ多チャンネルコイル(18chコイル)も揃えており、全ての領域に質の高い検査が行える体制を整えています。
さらに、MRI検査は患者様の状態や特性に合わせ、撮像方法をその都度組み替えて行うことが必要な検査ですが、撮像技術の経験が少ない担当者がオペレーションをしても、検査の質が担保されるよう、熟練した操作者の撮像方法や、各施設のMRエキスパートのノウハウを装置に組み込むことができるDot(Day optimizing throughput)エンジンを導入し、難易度の高い検査においても、装置より高いレベルでのナビゲーションを受けることで、ミスなく短時間、高画質の画像をどの担当者でも提供できるよう取り組んでいます。
臨床現場では、医療の質を担保する検査を行いながら、空いた時間ではアルツハイマー型認知症の早期発見に貢献するため、認知症外来部門と連携し、早期AD診断支援システムのVSRAD ADVANCEによる検診も積極的に行っています。
需要の高いMRI検査を17時以降の夕診時間帯にも受診していただけるように、週2回に渡り検査枠を設けることで、お忙しい方にも診断に必要なMRI検査をご提供いたします。
IVR治療室(血管造影検査室)
多目的デジタルX線TV装置(キャノンメディカルシステムズ)
当院IVR治療は、最新式の超音波装置とX線透視診断装置を併用し、安全かつ難易度の高い症例にも取り組んでいます。
近年、カテーテル治療等の高度化により、長時間に及ぶ治療にて放射線照射を受けた部位への放射線障害が問題となっていますが、当院では数々の技術を用いたoctave SP搭載機種を導入し、最小限の放射線量(従来の照射線量を約65%低減)にて高画質画像を撮影し、正確なIVR治療が行われるよう装置管理を行っています。
術者にも患者様にも被ばくへの不安を最小限にし、医師の治療技術が最大限発揮される環境を提供することを目標として、IVR治療部門に積極的に参加し、患者様の治療への貢献をさせていただきたいと考えています。
ご案内GUIDANCE
アクセスACCESS
〒653-0801 神戸市長田区房王寺町3-5-25
電車
- 阪急、阪神、山陽、各線の「新開地駅」から神戸電鉄に乗換
- 神戸電鉄「長田駅」より、徒歩約6分
※「長田」とつく駅が、他にもあります。(JR新長田、高速長田)乗り間違いにご注意ください。
タクシー
JR「兵庫駅」よりタクシーで約15分